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2011-06-01

いけばなの切り口

花材を切るとき、水揚げがよくなるように水切りを「しっかり」する

この「しっかり」は「うっかり」の反対語としての意味と別に

水切りを1回ではなく、2回以上繰り返す
と教わった

水切りは切り口が空気に触れないように水中で切ることだけれど、
しっかり」行うために1回ではなく2回する

どういうことだろう

外出前に戸締りしたか2回確認する、というような気持ちでなら理解できる
すでに茎の中に空気(の部分)が入っていて、1回切ってもまだ空気が残ってしまう
あるいは、

切るときに空気が移動してしまって空気が残ってしまった
という場合に、

2回切ることで、確実に空気が入っている部分を取り除くことができる
・・・・そういうことだろうか

・・・なんてこんなこと、科学的に検証している人なんて多分いないだろう
きっと経験則なのだろう

草月は初代家元、勅使河原蒼風先生が1927年に創始したのでそれほど歴史はないけれど、いけばなは文献や資料のなかに明快なかたちで登場するのは室町時代(14世紀末~15世紀半ば)からと長い歴史がある

きっと長い期間の間に大勢の人の経験があって、水切りは1回よりも2回したほうが水揚げはよくなることが多い、となったのだろう

だからわたし一人の経験で、そうかなぁ、変わらないと思うけどなぁ、なんて簡単に言ってはダメなのだ

水揚げをよくするのなら、切り口を十文字にしたり斜めに切って水に接する面を増やしたら

と人から言われた

確かに花屋ではその手法をよく見かける
あと、皮をむくとかも

いけばなでも切り口を十文字に切るのはたまに行う
花材には、ラッシュ時の満員電車の中と同じく、寄りかからずに自力で立っていてもらいたい
しっかり立つためには切り口は重要だ
水揚げはいいけれど、切り口が弱くて自分の重さを支えられないのでは意味がない
となると、十文字の切り込みはある程度固くて太い枝に限られる

皮をむく場合は、皮をむいた状態を表現として見せたいっ、というのでなければ、不自然に皮がむかれた姿を見せないように隠す必要がある

また、剣山を使用する場合、

枝は斜めに切り、草花はまっすぐに切るという原則がある

太い枝は斜めに切ると、針と針の間にも入るし、切り口が広くて針が刺さりやすく、留めやすい

逆に草花は茎が柔らかいので斜めに切ると弱くなり倒れやすい
だからまっすぐに切る



立てるときは、剣山に対して垂直にぶすっと刺し、それから斜めに倒す
(垂直のままだと花は天井を向いてしまうので、花がよく見えるように倒す)

倒す方向は皮の長いほうへ

樹皮は丈夫なので、皮のあるほうに倒すとしっかり固定される

剣山に花材を刺す様子もで図示しようと思ったけれど

(え?それはちょっと・・・)

なんだかザンコクな絵になりそうなのでやめておきます

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