内田百閒(けん)の短編小説に「東京日記」というのがある
内田百閒といえば随筆らしいが、この小説がわたしは一番好きだ
東京を舞台に、日常生活からふっと奇妙な世界への扉が開く
(開いたかと思うとすっと閉じてまた何事もなかったかのように日常に戻ることも)
そんなヘンな短い話が23(11は上下あり)もつづく
冒頭の話が日比谷周辺を舞台にしている
事件()現場に行ってみた
電車に乗っていたら、
車掌が故障したのでみんな降りてくれと
日比谷の交差点で降ろされてしまった
雨が降っていて薄暗い中、
お濠をなんとなく眺めてつつ次の電車を待っていると、
ぬらぬら揺れる水面のせいで足許がふらつく気がする・・・
すると、ざぶんと
牛の胴体よりももっと大きなうなぎが
お濠から上がってきた
慌てて逃げようと車を探すが、
どの自動車にも運転手はいない
巨大なうなぎは銀座に出ようとするのか、
ずるずると向こうへ這っていく・・・・・
わたしのイメージとしては夏の生暖かい夕暮れなので、
今日は明るすぎて小説の雰囲気にちょっと合わない
この小説を読んでいると、突如開く奇妙な世界のことを、不思議なこともあるもんだ・・・という程度でついつい軽く受け入れてしまう
だからわたしもお濠を眺めつつ考えてしまう
この昼日中、巨大うなぎがでてきたら・・・面白いのになぁ・・
そんな巨大なうなぎはどんな味がするのかな・・やっぱり大味
さばくのが大変だ・・・・だいたい何人前になるんだろう
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